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失われた権利

甘えること、本音をいうことの出来ない性質というのはどのような環境で育ちやすいのでしょう。いくつかの典型例というものがあるようです。今回のケースはおそらく誰もが知っている、身近にそういう家庭があったと思われるほどに一般的なケースだと思われます。


・父親……無責任かつ継続的な職業の安定がない、アルコールや薬物に過度に依存的、ドメスティックバイオレンス(家庭内暴力)の傾向、時に投獄を伴う場合もある。


・母親……問題を回避する傾向(家庭の問題を意識的に無視する傾向)、性格の偏り(自身も夫と同じような親に育てられた場合もある)、情緒不安定、ヒステリー性の場合もある。


子供は半ば強制的に、おのずと甘えることの断念を強いられます。母親の相談相手になる場合が多く、家庭の問題を(ここでは父親の問題、悪口)さんざんと聞かされ、可哀想だと強く思うようです。だんだんと自発的に母親の為になるようにすすんで相談役になったり、何とか少しでも母親の負担を軽くさせたい、癒しを与えたいと思うようです。


自身の甘えたいという願望を、母親の誰かに甘えたいという願望と重ねて、一体感を得ようとします(自身の甘えたいという願望を間接的に解消しようとする)。母親が喜ぶといった理由は後付みたいなもので、本当は世話をやいたり親のような立場にたったりして一体感を得ようとしているように思われます。外見的には立場が逆転しているように見えますが、それは外見上であり、実際はとても強く精神的に支配されている場合が多いと思います。


また母親が父親の機嫌を常に伺い不安な状態にいた事から、自然と子供もそういった能力に長けている場合があるようです。ただ些細な表情の変化、言葉の語尾、会話のムードなどを敏感に察知するのはいいのですが、だいたいにおいて悪くとる傾向にあり、対人間での緊張が強いられる場合が多いように思われます。


このことから不安感のとても強い人格と言えるのかもしれません。その不安の為、おのずと些細なことが原因で(妄想的な憶測だけで)関係を終わらせてしまうことがままにあるようです。子供のころに当然のような権利が機能しなかったので、得ると必ず失う、といった形式にとらわれやすいと言えるのかもしれません。


傾向としては幼いとき自分が親から得られなかった安心感を求めるといった人が多いような気がします。家庭のあたたかさというのを一番求めるのもこのタイプだと思われます。そのような希求とは裏腹に、なぜか両親と似たような配偶者を選ぶケースが多いようです。そして哀しいことに両親と似すぎた人格を形成することも多く、両親と似たような人生を歩みやすい傾向にあると、いえるのではないでしょうか。



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