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胎内回帰願望

境界例にはおそらく、のみ込まれたいという(胎内回帰)願望があるように思われます。これは大なり小なり一般的な願望であるようですが、境界例がそれらと決定的に違っていることといったら、彼らはそれが得られない(これからも得られないだろうという)現実にさらされると、まるで紙切れのごとく自分自身を無謀に扱ってしまうところにあるようです。これはあらゆる退廃的な行動化で表されます。彼らは激しく怒り、深く絶望し、なぜ「私」を受容してくれないのかと文句を言うようです。


また習慣となった行動化の一つに薬物依存というものがあります。現実では叶わないので(胎内回帰)、薬物の効果によってその鬱積を晴らそうとします。だんだんと常習化していくと、陶酔自体が擬似的にではありますが胎内回帰を再体験する試みとなるようです。


なぜ彼らは依存症となるまでに薬物と調和することができたのかというと、彼らの願望を一時的にでも果たせる手段が薬物であったから、ただそれだけの理由なのかもしれません。現実での不備を道具や行為で解消しようと試みる人は、他にもアルコールの問題、食欲の問題、嘔吐の問題、セックスの問題を合併していることがよくあるように思われます。


現実に対する感受能力が問題となる場合もあります。彼らは激しい疎外感を感じたり、現実を過酷なものであると見なして、そこへ入り込む隙間がないように感じ、また得たいの知れない不安や恐怖を感じている場合が多いです。


環境的な意味においても彼らが現実を過酷で救いようがないものだと思うのは、当然であるのかもしれません。また彼らの甘えや権利の早期取り上げによって、もう一度初めから(子宮から)やりなおしたいと思わせ、それを現実化しようとする試みを助長しているのかもしれません。


胎内回帰願望というのは母親の子宮に戻りたいという願望です。胎内回帰についていくつか連想遊びをしてからこの記事を締めくくりたいと思います。


・死、大地、土

・かくまって貰いたい

・結合したい

・空想の中での天国に近い



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